サモア戦レビュー・急遽先発SH齋藤直人「過去最高」の冴えをみせた3つの象徴的プレー 最終週は、各チームの最後の時間と点差のマネジメントに注目 | ラグビージャパン365

サモア戦レビュー・急遽先発SH齋藤直人「過去最高」の冴えをみせた3つの象徴的プレー 最終週は、各チームの最後の時間と点差のマネジメントに注目

2023/10/03

解説●後藤翔太 構成●大友信彦


こんにちは、翔太です。フランスにやってきました!

こちらにきて、ワールドカップの日本-サモアをJスポーツで解説したあと、ボルドーへ移動して、フィジーとジョージアとの試合をNHK総合で解説させていただきました。僕がNHKで解説する機会を頂けるなんて想像もしていなかったのでとても光栄に思いましたが、それと同時に、NHKの皆さんのプロフェッショナルな仕事ぶりにはいろいろと学ばせていただきました。同じ中継の解説でも、スポーツ専門のテレビ局であるJスポーツと、巨大組織であるNHKさんのような、違うスタンスの仕事に関わらせていただけたことはとても幸せでしたし、僕なりに全力で担当させていただきました。ということで、こちらRUGBYJapan365では、またテレビとは違った視点で、日本-サモアの試合を振り返ってみたいと思います。

サモア戦、日本代表は素晴らしい試合ぶりを見せました。
内容は素晴らしかったのですが、個人的な思いを言わせていただくと、僕にとっては齋藤直人がワールドカップで初めてスタートで試合に出たこと、そして彼が本来の輝きを見せてチームの勝利に貢献したことがとても嬉しかったです。

急遽先発も輝きを見せた齋藤直人のプレー

急遽先発も輝きを見せた齋藤直人のプレー



RUGBYJAPAN365読者のみなさんはご存じと思いますが、直人は桐蔭学園~早大の後輩であり、SHの後輩であり、僕が早大のコーチングスタッフに入った年にキャプテンとして早大を優勝に導いた、とても縁の深い選手です。ワールドカップに向けた準備の間も時々連絡を取り合っていました。僕がワールドカップ3戦目で初めて現地で解説した試合で、直人がワールドカップで初めて先発したのも、僕にとっては運命的というか、強い巡り合わせを感じました。嬉しかったし、同時に心配でもありました。


後藤翔太氏が2015年から解説したアーカイブスが見れるのはラグビージャパン365だけ!

というのも、正直言うと今季の直人のプレーにはもうひとつ物足りないものを感じていたからです。直人のSHとしての良さはいろいろありますが、僕が一番すごいなと思うのは彼の判断力であり、そこで瞬時に繰り出すプレーのクオリティの高さ、特にパスの質ですね。でも今季はオールブラックスXVやパシフィックアイランダー勢とのテストマッチを見ていても、どこか思い切りがないように感じました。



チームのプランを遂行しようとするのは選手として当然なのですが、どこかコーチの顔色を窺って、自分で判断を下していないように見えて仕方なかった。それが影響しているのか、彼の本来の良さであるパスの軌道も少し乱れているように感じていました。判断して、ゲームを楽しむんじゃなく、義務的な作業をしている感じ。もちろんワールドカップという大舞台に向かっているのですから、通常の試合やテストマッチとは全然プレッシャーも違うでしょうが、テストデビューとなった2021年のライオンズ戦とか、それこそ早大時代のような、ナチュラルな直人の良さを出してくれたらいいな…と思っていました。

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